映画に感謝を捧ぐ! 「動物農場」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・ハラス・ジョイ・バチュラー監督の  「動物農場」に感謝を捧げようと思います。  ジョージ・オーウェルの同名小説を    もとにして作られた本作は  ユーモラスな毒気と説教臭に彩られたアニメーション映画であります。    社会派的ブラック・ユーモアと     史劇の香りに包まれたストーリー&語り口と  童話的和やかさと怪奇的残酷さを兼ね備えた  アニメーション映像が一体となる光景は  私に「活劇性・喜劇性・政治風刺の共同戦線」  「アニメ的表現法の秘めたる効能」の一形態と  イギリス型娯楽文化の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハッピー・エンドの装飾を纏いながらも  新たなる悲劇の前兆を感じさせる幕切れが  「娯楽的サービス精神と政治的メッセージのせめぎ合い」  「歴史の繰り返し性&英雄礼賛の危険要素」を  体現している点も見逃せません。)  まさに「軽量級アニメーション史劇」の雄と    呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。  「人間」の圧政に対抗するため一致団結した動物たちによって  生を受けた「動物農場」が  人間の暗黒面を継承してしまった勢力によって  崩壊していく姿を  軽快でありながらも陰鬱な映像と共に写し出す事によって  ファミリー向け映画と過激派史劇の特性を兼ね備えた  存在となった本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。