映画に感謝を捧ぐ! 「命知らずの男」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はレイ・エンライト監督の「命知らずの男」に
感謝を捧げようと思います。
アメリカ史を彩る無法者伝説の数々を
もとにして作られた本作は
奇策的にして巧妙な史劇系西部劇であります。
「戦争がもたらす人心荒廃」
「理想を掲げつつも、凶悪集団と化していく組織」
「復讐心とカリスマ的リーダーに翻弄される若者」といった
生真面目なテーマと
娯楽西部劇風味満載のアクション・シーンが一体となった
ストーリー&演出と
伝説の無法者J&F・ジェームズ、C&B・ヤンガー
K・ダルトン、W・C・クアントリルを融合させるという試みは
私に「アメリカ西部劇流スター主義」と
「無法者への複雑な思いと娯楽的サービス精神のせめぎ合い」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(無法者伝説の終わりと始まりが交錯する
渋味の利いた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「アメリカ流陰性アウトロー講談」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
歴史の娯楽的加工法&戦争系西部劇アクション技法の
限りを尽くすことによって
後年の西部劇に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。