映画に感謝を捧ぐ! 「ゲルニカの木」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はフェルナンド・アラバール監督の「ゲルニカの木」に  感謝を捧げようと思います。  ラミロ村を襲撃したファシスト軍に立ち向かう  人々の運命を描いた本作は  史劇性と不条理性が交錯する戦争映画であります。  「ファシズムと民主主義の戦い」という図式の中で  ポルノ的残酷&性描写、絵画的シーン、荘厳な音楽  ブラック・ユーモア的表現法が荒れ狂うストーリー&演出は  私に「反ファシズムと残酷趣味の共同戦線」と  独自の作家性を貫きつつ  「歴史上の悲劇」を後世に残す手法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (悲劇とハッピー・エンドを結ぶ「見えない絆」を感じさせる    幕切れとなっている点も見逃せません。)    まさに「不条理文学系戦争映画」の一翼を担う  大いなる怪作であると言えるでしょう。  芸術的狂気、政治的狂気、暴力的狂気が一体となって  「スペイン内戦」を写し出していく姿に圧倒される本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。