映画に感謝を捧ぐ! 「江戸三国志 疾風編」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は萩原遼監督の「江戸三国志 疾風編」に
感謝を捧げようと思います。
吉川英治の同名小説をもとにして作られた
3部作の2作目となる本作は
1950年代の東映が誇る
明瞭且つ謙虚なサービス精神に彩られた続編系時代劇映画であります。
「スター」の見せ場に対するこだわり
段取り描写を抑制することによるストーリーの効率化
道化的キャラクターの有効活用によって
「3部作の2作目」特有の緩慢さを緩和しようという試みは
私に「作品の持ち味を維持しつつ、スケール感を増幅させる」技法と
「大衆食堂的サービスと映画ビジネス戦術の平和的共存」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(鑑賞者が「最終章」への期待をふくらませるよう配慮された
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「中継ぎ映画」の雄と呼ぶにふさわしい
軽量級時代劇であると言えるでしょう。
作品の構造上中途半端になりがちなストーリー展開を
スターの魅力をふんだんに生かしつつ
暇つぶし規模のスピード感を保ち続ける技術力で
補う姿が心地良い本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。