映画に感謝を捧ぐ! 「悪魔のゾンビ天国」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はペリクレス・レウニス監督の  「悪魔のゾンビ天国」に感謝を捧げようと思います。  アメリカ南部の山奥で発生したゾンビ騒動を描いた本作は  悪食性とブラック・ユーモア性の極限を目指して歩んでいく  ゾンビ映画であります。  出たとこ勝負感満載のストーリー  残酷趣味&安物感に彩られたゾンビ造形&人体破壊描写  軽量級ホラーの法則に則したキャラクター造形  素朴極まる風景が一体となって  「アメリカ南部の白人庶民」に対する皮肉を放つ光景は  私に、ゾンビ映画ならではの「倹約的スケール感」  「アメリカ南部に対するイメージ」のホラー映画的活用法  残虐性と滑稽さを結ぶ絆の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ゾンビ化した地元住民たちの和やかな空気と  精神崩壊感溢れるヒロイン&友人の姿が  都会と山村についての一考察を示している点も  見逃せません。)  まさに「残虐風刺系ホラー」の究極形態に迫る  極大怪作であると言えるでしょう。  アメリカ小規模映画界に名を轟かせる怪物「トロマ」の持ち味  1970~80年代ホラー文化  原題のメッセージ性よりも「便乗戦術&日本人向けインパクト」を重んじる  邦題戦術が荒れ狂う本作と   生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。