映画に感謝を捧ぐ! 「最後の一人」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・フォード監督の「最後の一人」に  感謝を捧げようと思います。 潜水艦「S13号」と乗組員たちの運命を描いた本作は  二つの転換期が交錯する戦争映画であります。  トーキーとサイレントが入り交じった表現法と  極限状態の人間心理、男の勇敢さ&滑稽さ  娯楽的スリル&サスペンスが融合したストーリーが一体となる光景は  私に、登場人物の運命と映画史の転機が交錯する現象と  「西部劇風味と戦争映画風味のせめぎ合い」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (男気の勝利を示したハッピー・エンドと  愛する存在のために犠牲となった男の悲劇を兼ね備えた  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「空間限定型戦争映画」の偉大なる一歩となる  作品であると言えるでしょう。  娯楽的サービス精神&J・フォード流男魂を保ちつつ  潜水艦&軍隊という精神+物理的閉鎖世界での  人間心理に迫ることによって  後年の戦争映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。