映画に感謝を捧ぐ! 「捕らわれた唇」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアズセナ・ロドリゲス監督の「捕らわれた唇」に  感謝を捧げようと思います。
捕らわれた唇 [DVD]
タキ・コーポレーション
2004-01-23

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 1974年のマドリッド政治犯として逮捕された女性たちの  運命を描いた本作は  陽気さと非情さが絡み合う刑務所映画であります。  日常劇的人間模様、逃亡劇のスリル&サスペンス  政治劇の苦味、青春映画的映像&音楽技法が一堂に会し  互いの持ち味を生かし合うことによって生成された  ストーリー&演出は  私に「スペインの歴史&娯楽文化」・「ユーモアと恐怖&哀しみを結ぶ絆」  「閉鎖空間における人間心理」の一端を    目の当たりにする機会をもたらしました。  (ポルノ映画風味を匂わせることによって鑑賞者を誘う」  華のような気配を感じさせる邦題と  ハッピー・エンドに属しつつも渋味の利いた  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「女系刑務所映画」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  主演女優P・クルスをアイドル映画的に描写しつつ  1970年代のスペインを覆う「ファシズム」の恐怖を  世に示すという難題に挑んだ本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。