映画に感謝を捧ぐ! 「捕らわれた唇」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアズセナ・ロドリゲス監督の「捕らわれた唇」に
感謝を捧げようと思います。
1974年のマドリッドで政治犯として逮捕された女性たちの
運命を描いた本作は
陽気さと非情さが絡み合う刑務所映画であります。
日常劇的人間模様、逃亡劇のスリル&サスペンス
政治劇の苦味、青春映画的映像&音楽技法が一堂に会し
互いの持ち味を生かし合うことによって生成された
ストーリー&演出は
私に「スペインの歴史&娯楽文化」・「ユーモアと恐怖&哀しみを結ぶ絆」
「閉鎖空間における人間心理」の一端を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ポルノ映画風味を匂わせることによって鑑賞者を誘う」
華のような気配を感じさせる邦題と
ハッピー・エンドに属しつつも渋味の利いた
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「女系刑務所映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
主演女優P・クルスをアイドル映画的に描写しつつ
1970年代のスペインを覆う「ファシズム」の恐怖を
世に示すという難題に挑んだ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。