映画に感謝を捧ぐ! 「ニックナック」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョン・ラセター監督の「ニックナック」に  感謝を捧げようと思います。  愛のためにスノードームからの脱出を試みる  雪だるま人形の運命を描いた本作は  躍動感と純情に彩られたアニメーション映画であります。  論理性を気にさせないほどの勢いで  物語を進行させるスピード感  多彩な「破壊的シチュエーション」を繰り出すアイデア性  いかなる過酷な状況もユーモラスに表現する喜劇精神  台詞や感動誘発描写に依存することなく「感情」を描ききる  サイレント的表現力が一体となる光景は  私に「愛と冒険の近似性」・「適正なスケール感&スピード感の維持法」  「単純な設定に文学性をもたらす技法」の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (変化球的なハッピー・エンドと見せかけて  運命の非情さ&環境と人生の複雑な関係を写し出す  苦味の利いた幕切れへと着地している点も見逃せません。)  まさに「恋愛冒険喜劇」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  愛のために「故郷の呪縛」を乗り越えようとする主人公の奮闘ぶりを  効率的且つ人情味のあるアニメーション技術で描いた本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。