映画に感謝を捧ぐ! 「現代やくざ 人斬り与太」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は深作欣二監督の「現代やくざ 人斬り与太」に
感謝を捧げようと思います。
東映が誇る人気シリーズの一つ「現代やくざ」シリーズの
6作目となる本作は
1973年の映画「仁義なき戦い」に通じる道を
力業で切り開いた極道映画であります。
任侠路線の流儀に則しつつ
勧善懲悪的対立構造に背を向けて
暴走する野性的欲求&反権威性、理性的な凶悪性
極道的戦術性の軋轢がもたらす悲劇を追求した
ストーリー&キャラクター造形と
時代劇的様式美を廃し
生々しさ&臨場感に溢れた暴力&性描写を追求した映像が
一体となる光景は
私に「任侠路線的キャラクター造形&映像技」に抗うことによって
極道映画の新たなる領域を開こうとする人々の思いと
時代の空気に順応できず、我流を貫こうとする男たちの惨劇が
融合していく現象を目の当たりにする機会をもたらしました。
(暴力の無情さ&死臭に覆われた幕切れが
他の任侠映画にありがちな「極道礼賛」と
アクション映画的爽快感への不信感を
写し出している点も見逃せません。)
まさに「反任侠系極道映画」の一翼を担う
過激作であると言えるでしょう。
後年の「東映実録路線」を彩る男たちが一堂に会し
第2次大戦後の極道社会&暴力+セックスの実像に迫っていく姿に
圧倒される本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。