映画に感謝を捧ぐ! 「密告」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  2018年最後となる今回は  アンリ・ジョルジュ・クルーソー監督の「密告」に  感謝を捧げようと思います。  謎の人物「カラス」から送られる怪文書に翻弄される  人々の運命を描いた本作は  生活感溢れるスリル&サスペンスに  彩られた作品であります。  「嘘」によって守られていた日常が  怪文書によって崩壊していく過程を  愛憎劇、サスペンス、ホームドラマを融合させながら  写し出していくストーリー&演出と  フランス映画的渋味と庶民的ムードを兼ね備えた    俳優&女優陣が一体となる光景は  私に「人生のドラマ性」・「殺人に依存しないスリル&サスペンス」  「言葉の持つ破壊力&麻薬性」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (復讐劇と怪奇劇の香りが静かに混ざり合った  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「フランス流日常系情報戦」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  穏やかな日常風景と情報犯罪、紳士&淑女風味と悪魔性  サスペンス技法とラブストーリー技法を絡み合わせながら  静かに進行していくことによって  後年のサスペンス系映画&TVドラマに対する  「道しるべ」の一つとなった本作と    生きて映画を観ることのできる幸せと  今年1年「西村哲也の弁護系映画論」を  訪問してくださった方々に深い感謝を!!!。  追伸 来年も「西村哲也の弁護系映画論」をよろしくお願いします。                            GHM(西村哲也