映画に感謝を捧ぐ! 「夜霧の港」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアーチー・L・メイヨ監督の「夜霧の港」に  感謝を捧げようと思います。  ウィラード・ロバートソンの同名小説を  もとにして作られた本作は  対照的な要素が入り乱れた恋愛劇であります。  恋愛模様と謎解き、愛と狂気が複雑に絡み合う  ストーリー&演出が効率的且つ怪しげに進行する光景は  私に「ロマンスとサスペンスを結ぶ絆」と  残酷描写&暴力描写に依存しないスリル&サスペンス生成法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。    (勧善懲悪的決着よりも  過去の呪縛&歪んだ友情から解放された男の姿に  心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「ジャンル融合型ラブ・ストーリー」界の  静かなる堅実作であると言えるでしょう。  心に傷を負った男女の恋模様と  謎めいた殺人事件のせめぎ合いを  技巧的且つクールな映像技&作劇法で描いていく本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。