映画に感謝を捧ぐ! 「金なら返せん!」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は内藤忠司監督の「金なら返せん!」に
感謝を捧げようと思います。
大川豊の著書「金なら返せん!天の巻」を
もとにして作られた本作は
悪ノリ性と生真面目性が独特のバランスで共存する過激作であります。
カード社会の暗部をえぐり出す題材に
極道映画風味、バラエティ番組&ラブ・コメディ的笑いを加えることによって
生成されたストーリー&演出が
暴れ馬的な勢いで進行していく光景は
私に「社会性とドタバタ喜劇性の共同戦線」と
「金銭&法律と人間の複雑な関係」を娯楽的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(和やかな風景の中で「ユーモラスな狂気」が炸裂する幕切れが
ハッピー・エンドと悲劇の入り交じった味わいを生み出している点も
見逃せません。)
まさに「和製マネー・ゲームコメディ」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
クレジットカード&キャッシングの過剰な発展によって生み出された
「金銭感覚の歪み」がもたらす悲喜劇を軽やかに写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。