映画に感謝を捧ぐ! 「サンタフェ大暴動」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョージ・シャーマン監督の「サンタフェ大暴動」に  感謝を捧げようと思います。  1938年の映画「鞍上のスパイ」をもとにして作られた  「西部の三銃士シリーズ」の3作目となる本作は  里帰りの香り漂う続編映画であります。  「西部劇の装飾を纏った近代系アクション」として  生を受けたシリーズを    西部劇の世界へと連れ戻そうという試みは  私に「西部開拓時代と近代のせめぎ合い」を  映画的に表現する技法と  ヒーローの登場によって「悪漢の凶暴性」が増大していく現象の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (悪漢に扇動されて法的機関を破壊し  無実の人間を死に追いやろうとした「民衆」を許し  万事解決のハッピー・エンドへと着地するという  ブラック・ユーモア的離れ業に挑んだ幕切れと  なっている点も見逃せません。)    まさに「史劇系量産型西部劇」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  軽量級映画の枠内で表現された「大作的スペクタクル」と  「悪漢」に全責任を負わせることによって  社会の問題点を隠蔽しようとする風潮に対する  無意識の皮肉に彩られた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。