映画に感謝を捧ぐ! 「サンダーボルト作戦(1944年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はウィリアム・ワイラー監督の「サンダーボルト作戦(1944年版)」に  感謝を捧げようと思います。
サンダーボルト作戦 CCP-200 [DVD]
株式会社コスミック出版
2012-03-28

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 戦略爆撃機「P-47サンダーボルト」による作戦の  一部を記録した本作は  アメリカ映画界の知略&恐怖の一端を示した記録映像であります。  観光旅行案内+日記的な語り口&映像と  「アメリカ軍にとって好ましい部分を厳選する」編集技によって  戦場の惨状&空爆の非情さが隠蔽され、和やかな雰囲気を放ち出す光景は  私に「兵器テクノロジー」の発展がもたらす戦争の残酷化と  アメリカ政府&軍部とアメリカ映画界の共同戦線がもたらす  科学反応の一端を目の当たりにする機会をもたらしました。  (能天気なハッピー・エンド風に展開しつつ  土壇場で「ホラー&SF風味」を発する幕切れが  当時のアメリカ情勢を体現している点も見逃せません。)  まさに「空軍礼賛戦術」の一翼を担う  静かなる過激作であると言えるでしょう。  軍事作戦の記録映像でありながら  暴力的な部分を極限まで抑制し  穏健な日常風景を挿入する手法によって  アメリカ空軍の武勇伝と    「歴史は強者に都合良く編集される」という  過酷な真実に向かい合うための教材を    兼ね備えた本作と    生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。