映画に感謝を捧ぐ! 「サンダーボルト作戦(1944年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はウィリアム・ワイラー監督の「サンダーボルト作戦(1944年版)」に
感謝を捧げようと思います。
戦略爆撃機「P-47サンダーボルト」による作戦の
一部を記録した本作は
アメリカ映画界の知略&恐怖の一端を示した記録映像であります。
観光旅行案内+日記的な語り口&映像と
「アメリカ軍にとって好ましい部分を厳選する」編集技によって
戦場の惨状&空爆の非情さが隠蔽され、和やかな雰囲気を放ち出す光景は
私に「兵器テクノロジー」の発展がもたらす戦争の残酷化と
アメリカ政府&軍部とアメリカ映画界の共同戦線がもたらす
科学反応の一端を目の当たりにする機会をもたらしました。
(能天気なハッピー・エンド風に展開しつつ
土壇場で「ホラー&SF風味」を発する幕切れが
当時のアメリカ情勢を体現している点も見逃せません。)
まさに「空軍礼賛戦術」の一翼を担う
静かなる過激作であると言えるでしょう。
軍事作戦の記録映像でありながら
暴力的な部分を極限まで抑制し
穏健な日常風景を挿入する手法によって
アメリカ空軍の武勇伝と
「歴史は強者に都合良く編集される」という
過酷な真実に向かい合うための教材を
兼ね備えた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。