映画に感謝を捧ぐ! 「孤児ダビド物語」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョージ・キューカー監督の「孤児ダビド物語」に
感謝を捧げようと思います。
チャールズ・ディケンスの小説「ディヴィッド・コパフィールド」を
もとにして作られた本作は
大衆性と純文学性が交錯するサクセス・ストーリーであります。
アクション映画的躍動感、喜劇的ユーモア、史劇的スケール感
舞台劇&純文学的ムードがバランス良く配合された
ストーリー&演出が
状況に応じたスピード感で進行する光景は
私に「大衆食堂の味と文学的渋味の共同戦線」と
「人生のドラマ性」を映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(サスペンスとラブストーリーのハッピー・エンドを融合させる貪欲さと
娯楽映画的盛り上げを意図的に抑制する生真面目さを
兼ね備えた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「史劇+文学系子供映画」の歴史に輝く強豪作であると言えるでしょう。
「娯楽的サービスを的確に押さえつつ、文学性&教訓性、上品さを保ち続ける」
「スピード感&スケール感の適性範囲を維持し、物語的破綻を抑制する」
軽業的映像&作劇技術に圧倒される本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。