映画に感謝を捧ぐ! 「HOLE ホール(2005年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はカルロス・マルティン・フェレーラ監督の  「HOLE ホール(2005年版)」に感謝を捧げようと思います。
HOLE ホール [DVD]
アット・エンタテインメント
2007-04-06

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 井戸に閉じ込められた男と  彼を監視する男2人の運命を描いた本作は  執念と工夫に彩られた閉鎖系サスペンスであります。  「舞台の大半が井戸の中」、「登場人物数3人」という  「登場人物&場所に関する説明を避ける」という  過酷な設定の中で  娯楽的スリル&サスペンスを維持するため  舞台劇風味溢れる音楽、技巧的な映像表現  各種トラブル要素誘発の限りを尽くす  スタッフ陣の勇姿は  私に「物理的制約の中で知略&技術を駆使する」醍醐味  「理解不能な状況」がもたらす魅惑&恐怖  節約主義と思わせぶり主義の共同戦線の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。   (冷徹なる豪快さで鑑賞者を突き放す幕切れを通じて    「生還=ハッピー・エンド」の法則に反逆する  過激作であるという点も見逃せません。)  まさに「精神迷宮系サスペンス」の一翼を担う  軽量級作品であると言えるでしょう。  抽象化&省力主義的なストーリー&演出によって  鑑賞者と主人公が「未知の空間に捕らわれる苦悩&混乱」を  共有する現象を生成する事に挑んだ本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。