映画に感謝を捧ぐ! 「南部魂は消えず」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はエドワード・ルドヴィグ監督の「南部魂は消えず」に  感謝を捧げようと思います。  帰郷した元南軍兵士「ロックウェル・グレイソン」の  運命を描いた本作は  娯楽性を保ちながら「過渡期の混乱」を写し出す西部劇であります。  潜入捜査映画と戦争映画を融合させた  ストーリー&演出、キャラクター造形を通じて  南北戦争後のアメリカ事情&戦争がもたらす人心荒廃を  世に示そうという試みは  私に「娯楽的サービス精神と教材性の共同戦線」と  「活劇ヒーローと法治主義の共存」を図るための創意工夫の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (肩すかし感満載の「敵将の最期&悪女の末路」を通じて  運命のブラック・ユーモア性&劣等感から生じる野望の虚しさを示した  作品であるという点も見逃せません。)  まさに「西部劇型戦後論」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  アメリカ西部劇的豪快さ&アクション・シーンと  アメリカ史の転換期&戦争の間接被害が絡み合う本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。