映画に感謝を捧ぐ! 「うそつき狼」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。    今回はテックス・アヴェリー監督の「うそつき狼」に  感謝を捧げようと思います。  お伽噺「三匹の子豚」をもとにして1942年に作られた本作は  過激にして戦術的なユーモアに彩られたアニメーション映画であります。  「三匹の子豚」の世界と第2次大戦期の国際情勢を融合させ  連合軍礼賛&ナチス・ドイツ批判色全開で描写するという試みと  ギャグ漫画&戦争映画風味満載のアニメーション映像技法が  一体となる光景は  私に、子供向けサービス精神と軍事的情報戦術の共同戦線と  残酷な状況を喜劇的に表現する手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「勧善懲悪+ブラック・ユーモア的ハッピー・エンド」の  形態を駆使してA・ヒトラーを挑発する  大胆不敵な幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「軍事宣伝系戦争喜劇」の一翼を担う  過激作であると言えるでしょう。  「三匹の子豚」、米軍による宣伝戦術、T・アヴェリー監督のアニメーション技術が  結びつくことによって生を受けた  「連合軍礼賛アニメーション」でありながら  娯楽映画と軍事&政治的思惑が融合することに対する  「無意識の警鐘」となった本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。