映画に感謝を捧ぐ! 「白き処女地」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジュリアン・デュヴィヴィエ監督の「白き処女地」に  感謝を捧げようと思います。  ルイ・エモンの同名小説をもとにして作られた本作は  素朴にして多彩な日常劇であります。  カナダの山村で暮らすフランス人たちの生き様を  文化&人生論、ロマンス、冒険活劇性を  融合させながら描いていくストーリー  MTV、アクション、サスペンス技法を巧みに組み合わせた演出  日常感溢れる風景&キャラクター造形が一体となる光景は  私に「娯楽性と文学性&教材性による共同戦線」と  「人生の物語性&自然の過酷さ」を映画的に表現する手法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (作品世界を簡潔に説明しつつ  神秘性と純文学性に満ちあふれた邦題と  郷土愛&恋愛映画的ハッピー・エンドでありながらも  渋味の利いた幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「冒険型文学系日常劇」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  ホームドラマ的素朴さ、アクション&サスペンス的スリル  甘くも複雑なロマンス、社会派&教訓劇的メッセージが  絶妙のバランスで配合された本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。