映画に感謝を捧ぐ! 「フライパン殺人」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はポール・バーテル監督・主演の「フライパン殺人」に  感謝を捧げようと思います。  レストラン開業を目指す夫婦「ポール&メアリー」の  運命を描いた本作は  凶悪&理不尽にして和やかな喜劇映画であります。  殺人、犯罪、アブノーマルな性癖、愛憎を前面に出しつつも  ブラック・ユーモア+ドタバタ喜劇的に展開するストーリー&演出と  安物感&胡散臭さ満載のキャラクター造形+俳優&女優陣が  一体となる光景は  私に「残酷さと滑稽さ、愛と凶悪さの近似性」・「見世物+社会派的狂気」  「小規模映画業界の懐深さ」の一端を目の当たりにする機会をもたらしました。  (シンプルな字面の中でサスペンス風味とコメディ風味が絡み合う邦題と  犯罪の隠蔽を堂々と写し出し、食人をほのめかしつつも  穏やかなハッピー・エンドへ着地する幕切れを通じて  美しさと醜さの表裏一体性を示している点も見逃せません。)     まさに「猛毒系&緩やか系犯罪喜劇」の秘めたる珍味と  呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。  フライパンへのこだわり、小市民&軽量級ホラー風味を感じさせる犯罪描写  悪魔性+変態性満載でありながらもユーモラスな登場人物が  悪魔的な笑いと独特の感動&癒しを感じさせる本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。