映画に感謝を捧ぐ! 「アドルフ・ヒトラー(知られざる真実)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は「アドルフ・ヒトラー(知られざる真実)」に  感謝を捧げようと思います。  ナチス党首アドルフ・ヒトラーに関する映像&証言をもとにして  1958年に作られた本作は  ドキュメンタリー映画史上屈指の「奇策」を感じさせる作品であります。  壮絶なる「闘争の日々」と  山荘における恋人たちとの「日常風景」を  絡み合わせることによって  「A・ヒトラー」の光と陰を写し出すという試みは  私に「対象」を批判的に描写しているにもかかわらず  武勇伝的高揚感が生じてしまう現象と  平穏さと凶悪さが融合することによって  互いを高めていく光景を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (戦いに生きた人々の宿命と  戦いに巻き込まれた存在の悲哀を  静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「A・ヒトラー&史劇系ドキュメンタリー入門」の  一翼を担う軽量級記録映像であると言えるでしょう。  「A・ヒトラー」に関する実在の記録映像&関係者の証言を  つなぎ合わせることによって生を受けたにもかかわらず  アクション、ロマンス、怪奇恐怖が融合した映像作品へと  成長していく姿を通じて  歴史の物語性、人類の暗部、独裁政治の法則を世に示した本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。