映画に感謝を捧ぐ! 「トンネル(1933年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はカーティス・バーンハート監督の「トンネル(1933年版)」に  感謝を捧げようと思います。  アメリカとヨーロッパを繋ぐ海底トンネル建設に  人生を賭ける男たちの運命を描いた本作は  驚異的なバランス感覚に彩られた労働者映画であります。  大作的物量攻勢と小規模映画的倹約精神  アクション+サスペンスと人間模様が  それぞれの特性を生かし合いながら進行する光景は  私に「トンネル工事の舞台裏」を映画的に表現する技法と  娯楽的サービス精神と教訓性による共同戦線の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハッピー・エンドの形態を取りつつも  犠牲となった人々に思いをはせる  渋味の利いた幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「建設系英雄伝」の一翼を担う軽量作であると言えるでしょう。  効率主義的でありながらも情と迫力に溢れたストーリー&演出によって  後年の冒険映画、災害映画、サクセス・ストーリーに対する  「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。