映画に感謝を捧ぐ! 「処刑惑星」 (2009年)

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はサンディ・カローラ監督の「処刑惑星」に  感謝を捧げようと思います。  宇宙船から逃走した「捕虜」と  彼を追う兵士たちの運命を描いた本作は  奇抜さと素朴さが絡み合うSF映画であります。  地球侵略SFの王道を逆手に取りつつ  戦争映画+西部劇的な方向へと向かうストーリーと  安物感&コミック感満載の映像が一体となって  出たとこ勝負+省力的に進行していく光景は  私に「どんでん返し主義と男児的SF精神の融合」と  「軽量級SF的ハッタリ戦術」の一形態を    目の当たりにする機会をもたらしました。  (追う者と追われる者に芽生えた「奇妙な友情」と  反権威精神を豪快につなぎ合わせ  要所となる部分を曖昧化させるという  戦術的な幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「鬼ごっこ+復讐系SF」の歴史に輝く  怪作であると言えるでしょう。  説明台詞によるスケール感の増幅&ストーリー展開の効率化  様々なSF映画の要素を受け継ぎつつ、捻りを加える実験精神  舞台&人員を巧みに抑制する倹約精神  特撮的味わいに溢れたキャラクター&メカ造形が冴え渡る本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。