映画に感謝を捧ぐ! 「夢想の楽園」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヘンリー・キング監督の「夢想の楽園」に  感謝を捧げようと思います。    ハロルド・ベル・ライトの小説「バーバラ・ワースの勝利」を  もとにして作られた本作は  驚異的なバランス感覚に彩られた西部劇であります。  西部劇的風景+スリル&サスペンス  災害映画的特撮、ホームドラマ+ラブストーリー的人間模様  教訓劇的メッセージを組み合わせつつ  効率的に進行するストーリー&演出、キャラクター造形は  私に「アメリカ開拓史」を娯楽的に伝える技法と  各種娯楽映画要素が一堂に会することによって生じる  科学反応の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (力業で「万事解決のハッピー・エンド」へと進行する豪快さに  圧倒される幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「開拓系西部劇」の雄と呼ぶにふさわしい    作品であると言えるでしょう。  娯楽映画的サービス精神と教材性の平和的共存と  サイレント映画の持ち味を生かした  物語の効率化&文学的ムード生成によって  後年の西部劇&人情劇に対する「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。