映画に感謝を捧ぐ! 「シービースト」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマイケル・リーヴス監督の「シービースト」に  感謝を捧げようと思います。  トランシルバニアを訪れたイギリス人夫婦と    退魔師「ヴァン・ヘルシング伯爵」の運命を描いた本作は  ホラー映画史上最大級の狂乱ぶりを発揮する怪作であります。  その場しのぎ&継ぎ接ぎ感満載のストーリー&キャラクター造形  見世物的且つ緩やかな残酷描写  スリル&サスペンスよりも滑稽さを重んじた  アクション・シーンが一体となる光景は  私に、単純でありながらも先読み&理解困難な  ストーリー展開がもたらす喜劇性と  「群集心理の危うさ+旅+閉鎖的環境がもたらすモラル崩壊の恐怖」を  ホラー映画的に表現する手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (能天気なハッピー・エンドと見せかけて  「ホラー映画」の王道的結末へと急転換する幕切れと  なっている点も見逃せません。)  まさに「天然ボケ型ホラー喜劇」の歴史に輝く  モンスター的作品であると言えるでしょう。  悪霊系+モンスター系ホラーの王道に即して進行しつつ  残酷さと滑稽さ、意外性の追求と行き当たりばったり精神  優等生と変人の秘めたる近似性を  体現する存在へと変異した本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。