映画に感謝を捧ぐ! 「西部の挑戦」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はウォーレス・フォックス監督の「西部の挑戦」に  感謝を捧げようと思います。    オー・ヘンリーの小説から生まれたキャラクター「シスコ・キッド」を    もとにして1949年に作られた本作は  優等生的にして奇策的な西部劇であります。  巻き込まれ映画、犯罪映画、正統派西部劇の王道を  組み合わせる優等生気質と  シリアスな状況を喜劇的に加工し  緩やかさを保ちつつ効率的に進行する大胆さが入り交じった  ストーリー&演出、キャラクター造形は  私に「暇つぶし規模の枠内に各種娯楽要素を詰め込む」実験と  スリル&サスペンスとユーモアを結ぶ「絆」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (あらゆる問題を力業で円満解決させる豪快さに    圧倒される幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「量産型西部劇」の歴史における  実験的作品の一つであると言えるでしょう。  「シスコ・キッド路線」の一翼を担いつつ  「量産型西部劇の滑稽劇的可能性」を切り開いた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。