映画に感謝を捧ぐ! 「チェルノブイリ・ハート」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマリオン・デレオ監督の「チェルノブイリ・ハート」に
感謝を捧げようと思います。
1986年4月26日に起きた「チェルノブイリ原発事故」がもたらした
被害の一部を記録した本作は
静かなる哀しみと希望と包まれたドキュメンタリー映画であります。
娯楽映画的誇張や技巧的映像表現を避け
淡々と進行する映像&語り口の中に
「チェルノブイリ原発事故」が人々に与えた悲劇と
残酷な現実に立ち向かう人々の姿を
世界に知らしめたいという思いが宿る光景は
私に情味と冷静さ、絶望と希望のせめぎ合いと
映像技に依存せず、真実を写し出すことを追求する
記録映像の持つ存在力&説得力の一端を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ささやかな勝利を示した後に現実の過酷さを突きつける
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「チェルノブイリ原発事故入門」の一翼を担う
大いなる生真面目作であると言えるでしょう。
「チェルノブイリ原発事故」の直接&間接被害に対する「壮絶なる追求」
怪奇映画を凌駕する程の「見えざる恐怖」
後年の世界に対する「大いなる警鐘&ささやかな希望」に彩られた本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。