映画に感謝を捧ぐ! 「ビヨンド・ザ・ロウ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジャン・フランソワ・アンジャン&フランソワ・トロウケンス監督の
「ビヨンド・ザ・ロウ」に感謝を捧げようと思います
1982~85年に発生した「マッド・キラー事件」を
もとにして作られた(とされている)本作は
渋味と技巧的表現が荒れ狂う
実録風アクション映画であります。
泥棒映画と陰謀劇を融合させた後
アクション映画の法則に則して進行するストーリーを
時系列操作、幻惑的映像表現、陰性の色彩
暴力性重視のアクション・シーンによって
複雑化していくという試みは
私に「豪快さと陰鬱さのせめぎ合い」と
「未解決事件の映画的活用法」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(勧善懲悪&復讐の爽快感に背を向けて
淡々と決着を付ける幕切れが
娯楽アクション映画に対する「ある種の皮肉」となっている点も
見逃せません。)
まさに「陰性技巧派アクション映画」の一翼を担う
作品であるといえるでしょう。
1995年の映画「ヒート」の流れを汲むアクション・シーン&人間模様を
ヨーロッパ映画&実話系陰謀劇風に加工することによって生を受けた本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。