映画に感謝を捧ぐ! 「ター博士の拷問地下牢」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフアン・ロペス・モクテズマ監督の
「ター博士の拷問地下牢」に感謝を捧げようと思います。
精神医「メイナール博士」の療養施設を訪れた
人々の運命を描いた本作は
神秘性と俗物性が交錯する大いなる怪作であります。
山系ホラーと閉鎖系サスペンスを融合させたかのようなストーリー
童話的ムード溢れる映像、コメディ的挿入曲&効果音
軽量ポルノ的お色気
胡散臭さに満ち溢れたキャラクター造形が一体となる光景は
私に、男性向けサービス精神と怪談風味の
奇妙な共同戦線と
「狂気と正気の秘めたる近似性」を映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(アクション映画的決着の後に
ハッピー・エンド風味を抑制し、陰鬱さを高めた
幕切れへと着地している点も見逃せません。)
まさに「神秘派閉鎖系ホラー」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
文学的&マニア的狂気に支配された敵将の勇姿と
怪奇劇と滑稽劇を組み合わせたかのような
敵兵たちの姿が印象深い本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。