映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・ウォール(2017年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はダグ・リーマン監督の「ザ・ウォール(2017年版)」に  感謝を捧げようと思います。  謎のスナイパーに狙われたアメリカ軍兵士2人の  運命を描いた本作は  過酷な状況下で闘う主人公たちと  様々な制約の中で奮闘する作り手たちの姿が  重なっていく様に心打たれる戦争映画であります。  主要登場人物3人(うち1人は声のみ)という人員的制約と  「壁」とその周辺という空間的制約を自らに課し  アクションよりも心理戦を優先させることによって生を受けた  ストーリー&演出は  私に「戦場における伝説」の映画的活用法と  状況設明&娯楽的ハッタリを抑制することによって生じる  スリル&サスペンスの一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (驚異的な精神力&身体力によって米軍を翻弄し  ホラー映画の領域に到達した「スナイパー」に  圧倒される幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「空間&人員限定型戦争映画」の雄と  呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。  「死の天使」と称された伝説のイラク人狙撃手ジューバ  西部劇文化の名残、物理的制約による精神的スケール感の高揚  アメリカ軍への礼賛&疑問が一堂に会した本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。