映画に感謝を捧ぐ! 「この手紙を読むときは」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジャン・ピエール・メルヴィル監督の
「この手紙を読むときは」に感謝を捧げようと思います。
両親を事故で失い、一人残された妹の為に帰郷した女性「テレーズ」と
彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は
様々な作劇要素が静かに絡み合う女性映画であります。
ホームドラマ、ロマンス、サスペンスがせめぎ合う
ストーリー&キャラクター造形と
文学性と娯楽性を兼ね備えた映像技&音楽技が
一体化することによって生じる科学反応は
私に、邪悪な男性を嫌悪しつつ、魅了されてしまう
女性たちの悲劇と
人生に潜むスリル&サスペンスの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(壮絶なる肩すかし感に溢れた「悪漢の最期」と
悲劇&ブラック・ユーモア的でありながらも
「癒し系ハッピー・エンド」の香りを感じさせる幕切れが
人生の奥深さを示している点も見逃せません。)
まさに「極道+愛憎系女性映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
文学的&宗教的ムード、俗物的サービス精神
家族劇+犯罪映画技法
フランス映画的苦味が一堂に会した本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。