映画に感謝を捧ぐ! 「リラの心」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアナトール・リトヴァク監督の「リラの心」に  感謝を捧げようと思います。  殺人事件を捜査する刑事「アンドレ」と  容疑者「リラ」の運命を描いた本作は  様々な葛藤に彩られた異色作であります。    サスペンス、ラブストーリー、ミュージカルの間を彷徨いながら    主人公&ヒロインの揺れ動く思いを描いていくストーリー&演出は  私に「スリル&サスペンスと人情味のせめぎ合い」と  「犯罪に関わる人間の宿命」を娯楽的に表現する手法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (事件解決の爽快感よりも正義を貫く人間の非情さ&哀しみが印象深い  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「ジャンル放浪型ラブ・サスペンス」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  甘いロマンス、愛憎渦巻く人間模様、危険な潜入捜査が  複雑に絡み合う本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。