映画に感謝を捧ぐ! 「トゥルース・オブ・ウォー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はロドリゴ・フェルナンデス・エングレル監督の  「トゥルース・オブ・ウォー」に感謝を捧げようと思います。  アルゼンチン軍の兵士「フアン」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  戦争映画史上屈指の「教材風味」を感じさせる作品であります。  「フォークランド紛争」をアルゼンチン目線で写し出す戦記から    戦争後の兵士&戦死者の遺族の思いを見つめる物語へ  進んでいくストーリーと  娯楽映画的盛り上げを抑制したクールな演出が  一体となる光景は  私に「キャラクター造形の曖昧さ」によって  戦争の非情さ&虚しさが鮮明化していく現象と  暴力描写に依存しない反戦メッセージの一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (万事解決のハッピー・エンドに背を向けて  「ささやかな希望」を示すに留める  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「フォークランド紛争&戦争の間接被害入門」の  一翼を担う作品であると言えるでしょう。    戦争映画と家族劇の手法を使い分けながら  アルゼンチン史の暗部に迫る本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。