映画に感謝を捧ぐ! 「彼らの最後の夜」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョルジュ・ラコンブ監督の「彼らの最後の夜」に  感謝を捧げようと思います。  図書館の司書長「リュファン」と  英語教師「マドレーヌ」の運命を描いた本作は  フランス映画的サービス精神に溢れた泥棒映画であります。  サスペンス、ロマンス、アクション、ユーモアが  上品に絡み合うストーリー&演出  J・ギャバン&M・ロバンソンのスター的存在力  渋味の利いた風景が一体となる光景は  私に「大衆的スリル&サスペンスと文学的ムードの共同戦線」と  「追われる者」の心理に重きを置いた作劇&演出法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。    (クールな佇まいの中に哀愁&残酷さを宿す  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「フランス流極道系恋愛悲劇」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  暴力&陰謀渦巻く世界と愛に包まれた世界  名士の顔と犯罪集団首領の顔、娯楽性と文学性が    軽快且つ上品にせめぎ合う本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。