映画に感謝を捧ぐ! 「摩天楼」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はキング・ヴィダー監督の「摩天楼」に  感謝を捧げようと思います。  アイン・ランドの小説「水源」をもとにして作られた本作は  上品な荒業に彩られた恋愛劇であります。    物語性よりもスター主義&娯楽的見せ場を重視しつつも  品の良さ&ある種の説得力を感じさせる  ストーリー&演出、キャラクター造形は  私に「娯楽映画的ご都合主義」の有効活用法と  「芸術性と大衆性+商業性、男気とロマンスの決闘」を  娯楽的に表現する手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (壮絶なまでの力業によって「ハッピー・エンド」へと急進する幕切れが  爽快感と恐怖感の入り交じった感触を生み出している点も  見逃せません。)  まさに「芸術+社会論入り恋愛劇」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  アメリカ映画的サービス精神に社会派&文学風味を混ぜ合わせ  娯楽映画的技巧の限りを尽くすことによって  「芸術家気質を宿した建築士」の生き様を写し出す本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。