映画に感謝を捧ぐ! 「博奕打ち外伝」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は山下耕作監督の「博奕打ち外伝」に
感謝を捧げようと思います。
東映が誇る人気シリーズの一つ
「博奕打ちシリーズ」の最終作となる本作は
東映任侠路線が生んだスター陣が見せる
「皮肉な最期」によって時代の移り変わりを示した
歴史資料的作品であります。
長きにわたって君臨した東映任侠路線の方程式に即した
ストーリー&演出、キャラクターが
後年の「東映実録路線」に通じる陰鬱さに
支配されていく光景は
私に「任侠路線の末期&実録路線の兆候」と
人間が「善意」によって悪へと変異していく現象を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(活劇の豪快さ&勧善懲悪の爽快感を抑制した
静かなる決着と
任侠路線の終焉を告げるかのような気配を放つ幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「任侠路線風愛憎劇」と呼びたくなるような空気に
包まれた作品であると言えるでしょう。
東映任侠路線を彩るヒーロー達と
彼らの敵として鑑賞者の怒りを沸騰させ
物語を輝かせた悪役俳優陣の変化球的活用法によって
1970年代の東映に訪れた「転換期」を体現する作品となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。