映画に感謝を捧ぐ! 「脱獄者(2011年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はカンピオン・マーフィー監督の「脱獄者(2011年版)」に
感謝を捧げようと思います。
精神病棟に送られた殺人犯「ハーモン」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
サスペンス映画史上屈指の「大いなる皮肉」に
彩られた怪作であります。
アクション映画的ご都合主義、ホラー映画の法則
サスペンス的「トラウマ&どんでん返し史上主義」を
力任せに組み合わせることによって生成された
ストーリー&演出がもたらす「無意識のブラック・ユーモア性」は
私に、アクション・ヒーローとホラー・モンスターの秘めたる共通項と
青春映画の世界が異常心理サスペンスに侵略されていく光景を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(サスペンス的装飾をはぎ取り「ホラー」の領域に到達したことを
高らかに歌い上げる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「病的愛憎+虐殺道中劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
米ドラマ「プリズン・ブレイク」の便乗商品と見せかけて
真逆に近い方向へと向かう奇襲戦術と
出たとこ勝負的狂気に圧倒される本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。