映画に感謝を捧ぐ! 「マニラの女スパイ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はレスリー・セランダー監督の「マニラの女スパイ」に  感謝を捧げようと思います。  女スパイ「クレア・フィリップス」の伝説をもとにして作られた本作は  多彩な戦術性に彩られた戦争映画であります。  「アメリカ軍礼賛」を高らかに掲げる情報戦術  西部劇、スパイ活劇、恋愛悲劇の技法を融合させ  暇つぶし規模のスリル&サスペンスと  スピード感を維持しながら進行する娯楽戦術  ヒロインの魅力を前面に押し出すスター主義的戦術が  一体となったストーリー&演出、キャラクター造形は  私に「娯楽的サービス精神と宣伝術の共同戦線」の一形態と  「アメリカ的戦争認識」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (アメリカ軍の武勇よりも  憎しみと敬意の間で揺れ動く敵将の姿が印象深い  最終決戦となっている点も見逃せません。)  まさに「アメリカ流女系武勇伝」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  愛に生きるヒロインが「米軍を救う女スパイ」へと  変化していく姿を通じて  「アメリカの価値観&娯楽技術」の一端を写し出す本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。