映画に感謝を捧ぐ! 「青髭八人目の妻(1938年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエルンスト・ルビッチ監督の
「青髭八人目の妻(1938年版)」に感謝を捧げようと思います。
アルフレッド・サヴォワールの同名舞台劇をもとにして
1938年に作られた本作は
驚異的なバランス感覚と皮肉に彩られた恋愛喜劇であります。
愛と欲望、心理戦と夫婦漫才、富と名誉
舞台性と映画性、滑稽さと上品さが入り交じった
ストーリー&演出、音楽、キャラクター造形が
軽やか&賑やかに進行する光景は
私に「愛憎&陰謀と笑いの秘めたる近似性」の一端と
「俗物的人間関係をユーモラス&上品に表現する技法」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(力業を駆使したハッピー・エンドでありながらも
品の良さと和やかさを兼ね備えた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「心理戦型夫婦劇」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
ラブ・コメディ風味溢れる物語、映像、音楽の中に
上流社会、男女関係、サスペンスに対する皮肉を宿す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。