映画に感謝を捧ぐ! 「パトリオット・ウォー ナチス戦車部隊に挑んだ28人」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はキム・ドラジニン&アンドレイ・シャロパ監督の  「パトリオット・ウォー ナチス戦車部隊に挑んだ28人」に  感謝を捧げようと思います。  1941年の「モスクワ攻防戦」における  ロシア軍第4中隊の戦いをもとにして作られた本作は  愛とクールさが交錯する実話系戦争映画であります。  ロシア軍礼賛を前面に出しつつも  淡々と進行するストーリー&演出と  西部劇&アクション映画の香りを漂わせつつも  娯楽性を抑制したキャラクター造形が一体となる光景は  私に「娯楽映画的表現法」を多用しつつも  現実感を追求する映画作りの醍醐味と  西部劇と戦争映画の秘めたる共通項の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ロシア軍の勝利&字幕なき実話アピールを掲げつつ  「戦争にハッピー・エンドはありえない」事を    示した幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「ロシア映画流武勇伝」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  ロシア軍目線を重視しながら  安易な「ドイツ軍の悪役化」に依存しないバランス感覚と  ワンマン・ヒーロー性を最小限に留め  群像劇風味に徹する戦争描写によって  説得力のある英雄伝となった本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。