映画に感謝を捧ぐ! 「拳闘のキャグネイ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロイ・デル・ルース監督の「拳闘のキャグネイ」に
感謝を捧げようと思います。
シカゴで休養することになったボクサー「ジミー・ケイン」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
愛と葛藤に彩られたスポーツ映画であります。
ボクサーとしての誇り&純情と
華やかな上流社会の間で揺れ動く主人公を
アクション映画要素とラブ・コメディ要素の間を
流離うかのようなストーリー&演出で描くという試みは
私に「プロ・スポーツの光と闇」を映画的に表現する手法と
「活劇性とユーモアの共同戦線」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「スター主義」の香りを前面に出した邦題と
力業で「ハッピー・エンド」をつかみ取ろうとする主人公と
純真さと寛容さを兼ね備えたかのようなヒロインの姿が
爽快感とブラック・ユーモアの入り交じったかのような
感触をもたらす幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ラブ・コメディ系ボクシング映画」の歴史に輝く
一作であると言えるでしょう。
スポーツ系サクセス・ストーリーと恋愛喜劇を組み合わせつつ
効率主義的に物語&映像を進行させることによって
豪腕と躍動感、堅実さと奇襲性をを兼ね備えた存在となった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。