映画に感謝を捧ぐ! 「イレイザー(2006年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はダニエル・モンゾン監督の「イレイザー(2006年版)」に
感謝を捧げようと思います。
恋人を失ったSF作家「デビッド・ノートン」と
無意識のうちに自殺を図った女性「シルビア」の
運命を描いた本作は
渋味の利いたハッタリに彩られたSF映画であります。
「SFマニア的狂気」に取り憑かれた科学者の陰謀を
アクション、サスペンス、ホラー、SF
芸術論を状況に応じて使い分けながら
描いていくストーリー&演出は
私に「エンターティナー&アーティスト+科学者の宿命」を
娯楽的に表現する技法と
「怪奇恐怖とハイテク的恐怖の秘めたる共通項」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ハッピー・エンド」と悪の勝利を共存させる事によって
娯楽的サービス精神を皮肉った幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「作家論系SF」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
ハンガリーの楽曲「暗い日曜日」が放つ哀愁&妖気
敵役D・ケリーの妖怪的存在力
各種娯楽要素を押さえつつ、躍動感を保ち続ける物語&映像によって
豪快すぎる設定を補う姿を通じて
SF映画の魅力&メッセージ性を体現する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。