映画に感謝を捧ぐ! 「ヒート(1972年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はポール・モリセイ監督の「ヒート(1972年版)」に  感謝を捧げようと思います。  俳優「ジョーイ・ディヴィス」と彼を取り巻く人々の  運命を描いた本作は  メッセージ性と俗物性が交錯する愛憎劇であります。  ハリウッド&人気商売の暗部を象徴するかのような男女関係を  ポルノ、ラブ・コメディ、サスペンスの技法を組み合わせながら  軽やか&賑やかに写し出していく  ストーリー&演出、キャラクター造形は  私に「大衆食堂感覚とブラック・ユーモア精神の共同戦線」と  「自分たちが生きる世界の闇をさらけ出す」手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「愛憎劇の定番」をからかうかのような陽気さと  愛を失った人間の哀しみが絡み合う  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「愛憎劇系ハリウッド入門」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  背徳的性生活と欲望&虚栄心にまみれた  「小規模系ショー・ビジネスの世界」を  男性的欲求と軽量級映画的見世物性の  赴くままに写し出す本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。