映画に感謝を捧ぐ! 「チャンプ(1931年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はキング・ヴィダー監督の「チャンプ(1931年版)」に
感謝を捧げようと思います。
没落したボクサー「アンディ」と一人息子「ディンク」の
運命を描いた本作は
娯楽的バランス感覚に秀でたボクシング映画であります。
チャンプの称号と誇りを失い
アルコール&ギャンブル依存症となった男が
息子&仲間たちの愛によって蘇っていく姿を
ユーモアとシリアス、効率性と見せ場作り
庶民的ムードとお伽噺ムードの均整を保ちながら
写し出していくストーリー&演出は
私に娯楽映画における
「適正速度を守ったストーリー展開&映像」の重要性と
活劇性、喜劇性、人情味による共同戦線の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ハッピー・エンド」を求める人々の思いに答えつつ
ボクサーの現実に向き合う幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「人情系ボクシング映画」の歴史に輝く
一作であると言えるでしょう。
ホームドラマ&スポーツ系サクセス・ストーリーの王道に即した物語
主演男優W・ピアリーの放つ男臭&存在力と
K・ヴィダー監督の娯楽技術力を融合させることによって
後年のボクシング映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。