映画に感謝を捧ぐ! 「ナイルの妖女クレオパトラ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はウィリアム・キャッスル監督の    「ナイルの妖女クレオパトラ」に感謝を捧げようと思います。  ローマ帝国の執政官「アントニー」と  エジプトの女王「クレオパトラ」の生涯をもとにして  1953年に作られた本作は  実話系映画史上屈指の「大衆食堂的サービス精神」に  彩られた作品であります。  史劇的スケール感&教材性を抑制し  剣劇+特撮アクション、ロマンス、見世物的装飾に重きを置いた  ストーリー&演出が軽やかに進行する光景は  私に歴史の持つ「俗物性」に着目し有効活用する戦術と  歴史大作要素と暇つぶし映画的効率主義による  共同戦線の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (残酷性&悲劇性を緩和することによって  渋味の利いた幕切れを生成している点も見逃せません。)  まさに「軽量級史劇」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  W・キャッスル監督ならではの「見世物小屋的魅力」と  古代のローマ&エジプトの持つ壮大さ+妖しさが  融合することによって生を受けた本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。