映画に感謝を捧ぐ! 「快楽」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマックス・オフュルス監督の「快楽」に  感謝を捧げようと思います。  ギイ・ド・モーパッサンの小説  「仮面」・「メゾン・テリエ」・「モデル」をもとにして作られた本作は  軽業的バランス感覚とフランス映画的渋味に彩られた挑戦作であります。  「仮面を付けてダンスに興じる男」・「休日を過ごす人々」  「モデルと画家」の物語を  純文学性と大衆性、シリアスとユーモア  大作的物量戦術と軽量級作品的スケール抑制術の  均整を保ちながら「愛&人生」を写し出すストーリー&演出は  私に、複数の娯楽要素&教訓劇要素を  バランス良く配合する妙技と  スター主義とストーリー主義による平和的共存の一形態を    目の当たりにする機会をもたらしました。  (万事解決のハッピー・エンドに背を向けて    人生の苦味、別れの切なさ、愛の複雑さを  静かに表現した幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「ジャンル融合型人生訓」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  娯楽映画的サービス精神と芸術+教材的メッセージを融合させ  互いの持ち味を生かしながら進行させるという難技に挑んだ本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。