映画に感謝を捧ぐ! 「深淵からの物体X ワーストコンタクト」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はディヴィッド・ドウセット監督の  「深淵からの物体X ワーストコンタクト」に感謝を捧げようと思います。  姉夫婦の家を訪れた女性「サム」と  恋人「ジェイソン」の運命を描いた本作は  鑑賞者の精神に「大いなる試練」をもたらす    大怪作であります。  鑑賞者の感情移入を抑制し、不快感を誘発するかのような  行動を繰り返す主人公コンビ  見世物的且つ緩慢な特殊効果&残酷描写  状況設明&舞台を極限まで節約する手法に  彩られたストーリー&演出は  私に「映像的&物語的苦痛の連打に耐えながら  楽しむポイントを模索する」  「少ない人数&情報量で怪奇恐怖を生成する難しさに  思いをはせる」機会をもたらしました。  (清々しいまでの「話題作依存」ぶりが笑いを誘う邦題と  命がけの献身が一瞬で「無意味」と化す幕切れも見逃せません。)  まさに「陰鬱+残虐+不明瞭系モンスター映画」の極限を  目指して突き進む勇猛作であると言えるでしょう。  軽量級モンスター映画の枠を淡々と乗り越え  「鑑賞者の精神力を鍛える教材」の領域へ到達する姿に  ある種の感動と恐怖を禁じ得ない本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。