映画に感謝を捧ぐ! 「殺人!」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアルフレッド・ヒッチコック監督の「殺人!」に  感謝を捧げようと思います。
殺人! [DVD]
IVC,Ltd.(VC)(D)
2013-06-21

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 クレメンス・デイン&ヘレン・シンプソンの小説&舞台劇  「Enter Sir John」をもとにして作られた本作は  ある種の実験精神を感じさせるサスペンス映画であります。  サスペンス的映像技、舞台劇的台詞回し、法廷劇的論争を  融合させたストーリー&演出が緩やかに進行することによって  「ミステリー+コメディ風味」が生成されていく光景は  私に「推理劇と喜劇の秘めたる共通項」と  「陪審員を務める」ことの過酷さを映画的に表現する手法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。    (芸術的狂気漂う「犯人の最期」が  ハッピー・エンドと哀愁の入り交じった感触を  もたらしている点も見逃せません。)  まさに「ブラック・ユーモア系探偵映画」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  スリル&サスペンスよりも軽快さが勝るストーリー展開の中で  先入観の恐怖&陪審員制度の問題点を指摘し  後年の「十二人の怒れる男」等に通じる道を切り開く事によって    内容以上の価値を持ったサスペンス映画となった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。