映画に感謝を捧ぐ! 「テキサスから来た男」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はカート・ニューマン監督の「テキサスから来た男」に  感謝を捧げようと思います。  無法者「ウィリアム・ポニー(ビリー・ザ・キッド)」の  生涯をもとにして1950年に作られた本作は  巧妙なる編集技&加工術に彩られた実話系西部劇であります。  「ビリー・ザ・キッド」の伝説から  娯楽的に好ましい部分のみを抽出し  アメリカ西部劇の倫理規定&サービス精神に即して  加工することによって生を受けた    ストーリー&演出、キャラクター造形は  私に歴史の娯楽映画的活用法と    説明台詞によってストーリー展開を効率化させる技法の一形態と  人々が模倣物に対して抱く憧れ&恐れの一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (娯楽西部劇的決着と「伝説の無法者」に対する哀悼を  両立させようと奮闘する  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「娯楽系ビリー・ザ・キッド伝」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  「ビリー・ザ・キッド」の短くも壮絶な生涯を  暇つぶし規模のスケール感&アメリカ西部劇の王道に  収めるという荒業に挑む事によって  後年の実話系西部劇に対する「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。