映画に感謝を捧ぐ! 「かわうそタルカの大冒険~失われた野性の詩~」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はデヴィッド・コーベン監督の
「かわうそタルカの大冒険~失われた野性の詩~」に感謝を捧げようと思います。
ヘンリー・ウィリアムソンの小説
「Tarka the Otter」をもとにして作られた本作は
動物映画史上屈指の「多面性」を持った作品であります。
記録映像技法と娯楽映画技法、冒険活劇と史劇
文学性&風刺性と物語性が絡み合う
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「自然界」のドラマ性&イギリス文化の一端と
現実感とファンタジー性が複雑に絡み合う現象の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「主人公の最期」をクール且つ詩的に表現した
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「文学+活劇系動物映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
人情劇的情緒に溺れず「人間=主人公の敵」という原則を貫くことで
集団的ハンティングの「残虐性」を写し出す信念
娯楽映画的誇張を抑制し、風景&動物の特性を生かし切る映像技
純文学風味と日常劇風味を兼ね備えた語り口に彩られた本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。